Blog ブログ

第10回 子宮蓄膿症

動物の病気

2019.02.27

子宮蓄膿症は、年間の手術回数ベスト3(不妊手術は除く)に必ず顔を出します。犬では特に多く、下で詳述している症状に気がついたら、一度は疑ってみて下さい。「臆病なこと」が、早期発見の第1歩です。万が一、手術ということになると、手術を受けるワンちゃん達の身体の負担がとても大きいのです。

発情後には要注意!

子宮蓄膿症は、子宮内膜に細菌が感染して膿がたまってしまう病気です。発情が終わってからの2ヶ月間や、発情抑制剤を使用している時などに起こりやすくなります。

症状は、少し元気がなかったり、食欲が低下したりすることから始まります。約半数の子で、水をいつもよりガブガブ飲むようになります。

また、寝床のお尻のあたる部分にオリモノが染みていたり、お尻のほうをしきりに舐めることに気付いたりすることもあります。重篤になると、嘔吐、脱水、衰弱、低体温または高体温、窒素血症、ショック、虚脱などをおこし、死亡してしまいます。

子宮蓄膿症の最終的な確定診断は、臨床的諸症状の観察と、血液検査、レントゲンやエコーなどの精密検査を合わせて行なわれます。治療は一般的に、罹患した子宮および卵巣を摘出する手術と、点滴などの内科的治療を併用して行います。また、術後に腎不全などを起こす場合があるので、一週間ほどは注意が必要です。

やはり、早期治療が基本

犬に大変多い病気ですが、猫でも時々起こります。他に、子宮蓄膿症をおこしやすい動物として、ハムスターがあげられます。ハムスターは下痢と間違えられやすく、アッという間に死んでしまうこともしばしばです。

体力のある犬や猫でも、手遅れになることがありますので、少しでも思い当たる症状がある場合はできるだけ早くに病院へ連れて来ましょう。8歳以上で避妊をしていないメス犬の飼主さんは特に気を付けて下さい。

この記事をシェアする