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第2回 フィラリア症

動物の病気

2019.02.26

毎年、フィラリアの予防をしている飼い主さんも、「よくわからないけど、とりあえず・・・」という方が多いのではないかと思います。フィラリアの怖さ、予防の大切さを良く知ってこそ、ますます予防にも力が入るはず。今回は、フィラリアという虫の事、フィラリア症はどういう病気か、そして予防の大切さについて詳しくお話したいと思います。

フィラリアの成長段階

「フィラリア」というのは虫の名前です。成虫は白くて細長い、そーめんにそっくりな虫です。寿命は7年くらい。

フィラリアの子虫は顕微鏡でしか見ることができないくらい小さくて、ミクロフィラリアと呼ばれます。この子虫は、最初動物の血液の中でフラフラしていますが、このままでは大きくなれません。不思議な事ですが、「蚊」の体内に一度入らないと次の成長が始まらないのです。

「蚊」の体内に入ったミクロフィラリアは、脱皮して少し大人になり、動物への感染力を持つようになります。この段階の子虫を感染子虫といいます。感染子虫は、蚊が動物の血を吸う瞬間に動物の身体にもぐりこみ、感染します。あとは、動物の栄養たっぷりの血液を食事にしてどんどん大きくなり、最後には10cmほどの成虫になるのです。

寄生場所は心臓

フィラリアは血菅の中で生活します。一番好きな寄生場所は心臓の中です。心臓は、広くて暖かくて血液がたっぷりで最高なのでしょう。でも、動物の心臓にすればたまったものではありません。フィラリアにじゃまされて、血液がうまく流せません。それでもがんばって働かなくてはならない心臓は疲れてきますし、内膜にも損傷が出てくるのです。心臓がだんだん弱ってくると、いろいろな症状があらわれます。

疲れやすい。運動を嫌がる。食欲が減る。軽い咳をする。息が荒い。などの症状から始まり、その後は、腹水がたまるタイプや、肝臓が悪くなって黄疸を起こすタイプ、腎臓が悪くなって赤っぽい尿をするタイプ。喀血するタイプ、突然倒れるタイプなどさまざまです。とくにひどいのは大静脈症候群と呼ばれるタイプで、突然赤い尿、黄疸などを起こしてぐったりし、一週間前後で死亡してしまいます。

100パーセント予防可能

一度、フィラリアが心臓に寄生してしまうと、駆虫するというのは容易な事ではありません。心臓へ鉗子を入れて虫を取り出す手術をするか、または、副作用の強い薬を時間をかけて何度も投与する、などの処置が必要となります。

フィラリア症は、きちんと予防薬さえ飲ませていれば、100%防ぐ事ができる病気です。まだフィラリアの予防をした事がなかった人、うっかり途中で止めてしまった人は、ぜひ今年から予防をしてください。福島では、だいたい6月から11月までの6ヶ月間、予防するといいでしょう。

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