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第6回  外耳炎

動物の病気

2019.02.26

犬や猫が、後ろ足で自分の耳を掻いている姿をよく見かけます。そのかっこうは、とても愛嬌が感じられ、動物のイラスト集などには必ずといっていいほど記載されています。ところで、彼等(彼女等)はなぜ、耳を掻いているのでしょう?もしかして。。。今回の「外耳炎」は、罹患率の高い病気の一つです。正しい知識で予防に努めましょう。

外耳炎の原因は。。。。

外耳炎は、犬・猫でよく見られる病気です。特に犬では、約5~20%が罹患しているといわれています。

耳炎になる素因としては、垂れ耳、耳道に毛が多い、脂性、などがあげられますが、さらに、綿棒などによる不適切な耳掃除が素因となっていることも非常に多いようです。こうした素因は、耳垢の蓄積や、微生物の増殖を促し、外耳炎を誘発します。

また、原因基礎疾患として最も多いものがアレルギーです。その他、耳ダニなどの寄生虫や、異物、自己免疫性疾患、脂漏症、なども外耳炎の原因疾患となります。これらは、痒みを引き起こし、過剰な耳垢の産生を促したり、皮膚を肥厚させます。

上記の原因に加えて、細菌や真菌の感染が起こると、外耳炎はさらに難治性となり、慢性の経過をたどるようになります。そして、中耳炎へと発展してしまうケースも珍しくありません。

耳の洗浄が効果的

治療として、まず原因基礎疾患に対処することはもちろんですが、どのタイプの外耳炎にも耳の洗浄はとても有効です。なぜなら、耳垢や脂やゴミをそのままにしておくと、ますます耳道内の皮膚が炎症を起こし、微生物を増殖させてしまうからです。

また、耳垢が溜まりすぎると、薬剤が耳道に浸透するのを阻害し、薬を効きにくくさせてしまいます。耳洗浄もせずに、飲み薬や付け薬に頼っているだけでは、思うような治療効果はけっして得られません。

予防のためには、正しい方法で耳の洗浄を週一回くらいのペースで行ない耳の観察を怠らないこと、原因基礎疾患のコントロールをすることが大切です。

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