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第13回  猫の慢性腎不全

動物の病気

2019.02.27

一度患ってしまったら一生のお付き合い・・・。慢性腎不全はとても怖い病気です。中年以上の猫に多く見られるこの病気、治すことは出来ないのですが、早期に発見しその進行を遅らせる治療は可能です。尿の比重を調べる検査や、定期的な血液検査で早期発見・早期治療に努めましょう。人間と同じ、健康診断はとても重要です。

進行は非常に緩やか

慢性腎不全は、腎臓が様々な原因で徐々に破壊され腎機能が低下してしまう病気です。中年以上の猫に大変多く見られます。徐々に進行するので、最初のうちは食欲も元気もあり気付くのが遅くなってしまうことが多いようです。

初期の特徴的な症状は、たくさん水を飲むようになることです。注意深い飼い主さんなら、尿の量が多くなったり、尿の匂いがあまりしなくなったことに気付くでしょう。

このような時期に、外に出て行って数日うろついていたりすると、ストレスにより急激に症状が悪化することもあります。

中期になると、少しずつ痩せてきて、嘔吐や貧血なども見られてきます。血液検査で、尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cr)といった項目が上昇してくるのもこの頃です。こうなると、もう腎臓の約2/3以上の組織が破壊されています。

さらに進行して末期になると、尿毒症の状態になり、食欲もなく嘔吐を繰り返すようになります。この時期には、治療に対する反応も低下し、貧血の程度も重度になり次第に弱って死亡してしまいます。

慢性腎不全は、治すことの出来ない病気で、一度壊れた腎臓を元に戻すことはできません。しかし、初期に発見して病気の進行を遅らせることは可能です。

早期発見には尿検査

治療は、各ステージに合わせた食事療法や、輸液、経口薬投与、造血ホルモン剤投与、輸血、などが行われます。

慢性腎不全の早期発見に最適なのは尿検査です。血液検査に異常がでていなくても、尿の比重が常に低い場合は、この病気が進行中であると考えられます。

中年以上の猫ちゃんは、症状がなくても、年に1回から2回は尿検査や血液検査を行って、早期発見早期治療を心がけましょう。

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