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第19回 「嘔吐」する時は

動物の病気

2019.02.27

嘔吐は、食べ過ぎ、消化不良、異物摂取、寄生虫・細菌・ウィルス感染、肝疾患、腎疾患、消化器疾患、全身的な病気の一症状として等、様々な原因で起こります。

注意点は、頻度と食欲と元気

 犬や猫は元来、人と比べるととても吐きやすい動物です。それは、肉食獣である彼らが、もし誤って腐敗した肉を食べてしまっても、すぐに吐き出して自分の身体を守ることが出来るようにするためだと言われています。

ですから、犬や猫は、些細な刺激でも嘔吐することがあり、私達には何が原因で嘔吐しているかわからないこともしばしばです。

しかし、中には重大な疾患が存在していることも多く、慎重な見極めが必要です。

 動物が嘔吐する時、注意しなければならないのは次の点です。

 まず、嘔吐の頻度。月に一回くらい単発で起きるのであれば様子を見て大丈夫でしょう。しかし、月に四回以上、あるいは数日続いたり、一日のうちに何度も嘔吐するような場合は、たとえ元気が良く食欲があっても注意が必要です。

また、実際に何も吐き出さなくても、オエッ!オエッ!と吐気の仕草をした時は、嘔吐したのと同じと判断してください。

 次に、元気と食欲の様子。嘔吐した後、ケロッとしていて元気も食欲も普段どおりであり、嘔吐も一度きりで治まる場合は、様子を見て大丈夫でしょう。

しかし、元気や食欲がなかったり、下痢も併発している場合には、なんらかの病気が疑われます。

続く嘔吐、状態の悪化は重大な病気の可能性

 吐いている時には、食餌や水を与えるとさらに吐き気を誘発し嘔吐を繰り返す原因になりますので、よほど動物が自ら欲しがる場合以外は、半日から1日は何も与えずに胃腸を休ませてあげる必要があります。

しかし、動物が幼齢の場合や、脱水の心配がある時には、絶食して様子を見ずに、病院で注射による非経口的な補液を行ってください。

 その後は消化の良い食餌を少しずつ与えていきます。カッテージチーズや、ゆがいた鶏ササミ肉などがおすすめです。お腹の調子が悪い時用の処方食を与える方法もあります。

 徐々に食事量が戻り、吐気も再発しなければ、あとは様子を見ます。しかし、嘔吐が続いたり、調子が悪化するような時には、嘔吐症状の原因として重大な病気が存在する可能性が高いですから、様子を見ずにすぐに病院へ連れて来るようにしましょう。

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