Blog ブログ

第7回  血尿

動物の病気

2019.02.26

動物達の体調の変化を早期に発見すること。。。それは、飼主さんの「責務」だと言っても過言ではありません。元気喪失、食欲不振、多飲多尿。。。症状は様々ですが、今回取り上げた血尿は、比較的発見が容易(難しい場合もある)な変化の一つです。毎日の動物達のおしっこに、こまやかな注意を払うよう習慣付けましょう。

腎臓から膀胱、そして体外へ

「あらっ、オシッコが赤い!」

それが血尿です。

尿は、腎臓で作られ、尿管を通って膀胱にためられます。ある程度たまると、副交感神経の働きで尿道を通って体外へ排泄される仕組みになっています。

ですから、血尿があれば、腎臓か尿管、膀胱、尿道のどこかに異常があり、出血しているのだということがわかります。

さらに、オスの場合は尿道をかこむ前立腺の異常からくることもあり、メスの場合は子宮や膣からの出血が尿に混じって出てくる場合もあります。

血尿の原因で一番多いのは膀胱炎、次に膀胱結石や尿道結石です。

犬では、7歳以上になってくると前立腺疾患や膀胱癌の可能性も高くなってきます。

若いオス猫では、結石による血尿が多く見られ、結石が尿道に詰まってオシッコを出せなくなってしまう尿路閉塞症を併発するケースがよくあります。

定期的な尿検査が安心

血尿は、血液が混じっている尿ということなのですが、すべてが赤く見えるというわけではありません。血液が変色して、茶色やワイン色になっている場合もあります。

また、出血量が少ないために、肉眼では「正常な尿」としか見えない「血尿」もあります。

特に腎疾患や膀胱癌の初期や、膀胱炎の治りかけなどは、見た目で「血尿」と判断する事はむずかしいので、気が付かずに過ごしている飼主さんが多くいます。

腎疾患や膀胱癌に気付くのが遅れれば命取りになるのはもちろんですが、膀胱炎も、「オシッコが普通の色になった」と治療半ばで勝手に投薬を止めてしまったりすると、再発を起こし慢性膀胱炎となって薬を服用してもなかなか治らなくなります。

オシッコは健康のバロメーターといいます。ぜひ、若い頃から定期的な尿検査を行なうようにしましょう。

特に6、7歳以上になると体力や免疫機能の低下で感染症にもなりやすく、悪性腫瘍の心配も大きくなりますので、血液検査と合わせて検査してもらいたいと思います。

この記事をシェアする