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第1回  皮膚病

動物の病気

2018.12.11

動物達の健康管理、何よりも重要な問題です。もの言わぬ彼らの、わずかな病変をいち早く発見すること、それが大切なことはみなさん御存知なのですが、実際はなかなか難しい。「異常」なことを知識として知らないと「正常」と思いこんでしまうものです。そこで、一般的な病変について、できるだけわかり易く解説していこうと思いたちました。何回かのシリーズにするつもりですが、ご自宅での健康管理に少しでも役立てば幸いです。

皮膚病くらい… と考えないで

皮膚は、身体を外界から守る外壁です。その外壁の傷んだ状態が皮膚病というわけです。外壁が傷んでいると、そこから細菌やカビなどが中に侵入し、傷みがさらにひどくなってきます。この状態を二次感染といいます。二次感染がひどくなると、何が最初の原因だったのかよくわからなくなってきます。皮膚病の難しさはそこにあります。

健康な皮膚は弾力がありなめらかです。フケや痒み、赤いポツポツ(湿疹)、脱毛、カサブタ、発赤、傷、脂漏(ベタベタ)、異常な色素沈着、ただれ等、どれかひとつでもあてはまるものがある皮膚は多かれ少なかれ皮膚病に罹っていると言えます。

皮膚病になっている動物は意外と多く、当院でも約3割が皮膚病で来院しています。動物は被毛があるため、飼主さんの発見が遅くなり重症になってから来院する事がよくあります。また、「皮膚病はたいしたことない」という飼主さんの楽観的な考えで、ついつい来院時期を延ばしてしまい、どうしようもないほどひどくなってからやっと来院するケースも目立ちます。

皮膚病は、単に皮膚だけの問題でなく、各種のホルモン異常や、内臓疾患の現れであることもあります。また、皮膚癌や、免疫介在性皮膚疾患、アレルギー性皮膚炎、など、治療がとても複雑なものもあります。「痒い」といったら、すぐ「ノミ・ダニ」と決めつけず、慎重な対応が必要です。

基本は、シャンプーとブラッシング

皮膚病の予防・治療にとても大切なことはシャンプーとブラッシングです。普通の犬であれば月1回のシャンプーと毎日のブラッシングをお勧めします。猫は、ひどく汚れていない限り、ブラッシングだけでいいでしょう。犬は小さい時からシャンプーに慣れさせておくことが大切です。

当院では、2月から、本格的なグルーミング業務を開始しました。動物達の皮膚病の予防に少しでも役立てばと思っています。家でどうしてもシャンプーできない方は、プロにお任せするのもいいでしょう。

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