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第27回  子犬のしつけ

動物の病気

2019.02.27

3頭の同腹子犬が別々の家にもらわれていきました。どの子犬が一番幸せで長い一生を送ることができるでしょうか?  遺伝的背景は同じでも、離乳期以降
にどのようなケアを受けるかで寿命が大きく変わってしまう可能性があります。

幼齢動物期に必要なケアとして、ワクチン接種や寄生虫対策、食餌、衛生管理、飼育環境整備などはすでにご存知の方も多いと思いますが、加えてこの時期は「しつけ(社会化/習慣化)」が大変重要なポイントとなります。

子犬の発達過程は大まかにいくつかの段階に分けられますが、そのうち3~14週齢くらいまでを「社会化期」と呼びます。

この時期の子犬は、これから生きていくために必要な社会性を身に付ける能力が非常に高い状態にあります。

その間にできるだけ多くの種類の質の良い出会いと楽しい経験を積んだ子犬ほど、性格の良い優れた家庭犬として育つことができます。

もし、社会化に失敗すると、動物の精神的ストレスや恐怖関連の問題行動が起こり、これらが動物の一生に大きな影響を与えることになります。

すなわち、社会化がうまくできていない動物は可愛がられず、人間や他の動物にとっても危険で、最悪の場合安楽死が選択されることにもなりかねません。

また、せっかく社会化ができた犬も、生後6ヶ月齢までは持続的に同じ経験を積み重ねて習慣化されていかないと、以前に社会化された事を忘れてしまいます。

例えば、母犬や兄弟犬と一緒にいた頃に身に付けた犬同士の社会性も、習慣化される前に一人ぼっちで新しい環境に置かれると、すっかり失われてしまいます。

ですから、子犬を家庭に迎えた時には、親犬や兄弟犬の代わりに社会化、習慣化を継続して教育していく必要があります。

社会化を教育する時は、怖がる子犬を無理に刺激に暴露するのでなく、怖がらない程度の小さな刺激から徐々に刺激を大きくし、ご褒美をあげながら少しずつ暴露するのが一番です。

鼻面を叩いたり、お仕置きをするようなしつけ方はお勧めしません。なぜなら子犬の社会化期の中の一部に「恐怖期」という何に恐怖を感じて気をつけなければならないかを学習する期間があり、ちょうどその時期に体罰や痛みを与えるようなことをすると、飼い主と子犬の関係が生涯にわたり壊れてしまう恐れがあるからです。

動物病院に慣れさせるために、この時期、週一回程度健康診断を兼ねて「おやつ」を持っていらっしゃるのも良い方法です。

もっともっと素敵な子犬との生活をサポートできれば嬉しく思います。

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