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第29回 寄生虫感染症

動物の病気

2019.02.27

「寄生虫」には、大きく分けて「外部寄生虫」と「内部寄生虫」があります。

「外部寄生虫」とは、体表部すなわち身体の外側に寄生する虫で、ノミ、ダニ、シラミなどがそれにあたります。

一方「内部寄生虫」は、おなかの中、筋肉、心臓、など身体の中に寄生する虫のことをいい、回虫、条虫、トキソプラズマ、フィラリアなどがそれに相当します。

「外部寄生虫」は、ブラッシングなどをしながら毛を掻き分け体表面を注意深く観察すれば誰でも見つけることが可能な場合も多いのですが、「内部寄生虫」は特別な検査をしなければなかなか感染を確認できません。

しかし、多くの内部寄生虫は、ズーノーシス(人獣共通感染症)の原因となるため、感染の有無を知らずに動物を飼っていることは非常に危険です。

近年、動物と人との絆が強くなり、家の中で家族の一員として大切に飼われる動物も非常に多くなってきました。

動物と人との関係が身近になるということはお互いに大変幸せなことですが、一方でズーノーシスによる健康被害の危険性も高まっています。

予防は、定期駆虫で!

 

  しかしながら、寄生虫によるズーノーシスは、きちんとしたプログラムに基づく定期駆虫を行えば予防できますので、むやみに恐れる必要はありません。

ペット先進国のアメリカでは、すでに10年以上前から疾病予防管理センター(CDC)および寄生虫病協会(AAVP)がズーノーシスの原因となる動物から人への寄生虫感染を防ぐため、予防的な定期駆虫を推奨しています。

定期駆虫とは、定期的な寄生虫駆除により、人と伴侶動物を寄生虫の病気から守る習慣です。

定期駆虫を行う際には、そのコに合った投与間隔と、使用する駆虫薬の種類を、獣医師に処方してもらうことが大切です。

内部寄生虫には様々な種類があり、それぞれに効く薬も違ってくるからです。勝手な駆虫を行っていると、効果が出ないばかりか、動物の健康を損ねる恐れもあります。

「うちのコは大丈夫」と思っていても、周囲の環境が汚染されていればなんらかの寄生虫に感染する可能性がありますし、知らない間に、あなたのペットが寄生虫の卵をまき散らす感染源となってしまうことにもなりかねません。

愛するカワイイ家族を悪者にしないためにも、飼主さんがしっかりケアしてあげましょう。

フィラリア予防の時期が近づいています。合わせて、ズーノーシスに関わる寄生虫の駆虫もご相談ください。

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